ラップを全く知らなかったのに、MCバトルを3つ見ただけで虜になってた【ヒップホップ入門:第三弾】

ヒップホップ
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 前回の記事『「ラップなんて聞けるか!」という意識を一瞬で改革する2つの動画【ヒップホップ入門:第二弾】』に引き続く第三弾です。

もっと楽しむ、ヒップホップ。

 前回の記事で、『パンチライン』と『ライム』についてお話しましたが、ヒップホップを楽しむ要素はまだまだ満載なので、残りの要素について、コチラの記事で紹介していきます。

フローとは

まずはコチラをどうぞ。

【戦極13章】 MAKA vs peko


「あれ、前回記事のバトルの様子とちょっと違うゾ?」と思われた皆さん。間違いないです。この2人みたいに、「良い人感」と「謙虚さ」が無断で体から滲み出てしまうラッパーは、そうそういないからです。

フロー解説

 この試合で顕著に出ているのが、ビートへの音の乗せ方、俗に言う『フロー』です。ヒップホップにはメロディーがない代わりに、それを気持ち良く聞こえさせるのが『フロー』になります。

 気持ち良いフローをするラッパーは、レゲエに寄っている人が多いです。上の動画の、どっからどう見ても雷小僧にしか見えないラッパー『MAKA』も、レゲエラップを駆使するのを得意としていて、フローに関しては若手最強です。MAKAの2バース目の、「オレのやり方ならば唯一無二のスタイル」のフローが気持ち良すぎて、急性中毒による禁断症状で失禁しそうでした。

 ちなみにこの時の対戦相手『peko』は、MCバトルに出続けているラッパーの中で最上級に好感度の高いラッパーです。ちゃんと相手のバースを聞いて客と一緒に盛り上がってくれます。更に、相手に対するdisなしでも繰り出される、カッコいいラップ。「目を見たら分かるお前はイケてるMCだ」から勝負を始められるラッパーは、マジで天然記念物です。技術も高くて、上の動画だとpekoの1バース目の『O-EAST』と『ノンフィクション』のライムは、ネタだとしても完踏み過ぎです。

バイブス

続いてコチラをどうぞ。


 MCバトルの良い試合って、何によって生まれるか本当に分からない。アツい感情のぶつけ合いもクールな煽り合いも、どっちもオイシイです。

 こういうバトルを見ると思う、「ヒップホップとは。」という世紀の大疑問。この試合ライムもフローもないですからね。初回記事でも言わせてもらったように、ヒップホップにはやっぱり定義なんてもんはないです。

バイブス解説

 この試合は、感情や雰囲気の高まり、つまり『バイブス』が高いです。そして、さすがに2人顔近すぎ。disのふっかけ合いも面白いですが、感情のこもったバトルは、心を揺さぶられます。バイブスの高いバトルは、お互いをよく知ってるラッパー同士のバトルで見られることが多く、これもその一つですね。

 あと歓声が、がーどまんの時は男ばっかりで、ミメイの時は女性率が少し上がるのがズルいです。イケメンは得。このイケメンラッパー『ミメイ』ですが、実はバイブスで押すより、ライムを駆使して相手の矛盾点をツく賢いラップをやることの方が多いです。

 ちなみに、このバトルで話題に上がってるがーどまんのYoutubeについてのことですが、彼はYoutuberとしてもかなり有名です。どんなチャンネルかと言うと、スラム街でしか絶対にできないようなドッキリの動画をやっています。

一応気になる方のために、こちらがチャンネルがーどまんです。

キャラ

 最後に、キャラが大渋滞を起こしているバトルがコチラです。特に、左から2番目の方にご注目下さい。


 4人とも自由過ぎて、最終的に誰も回収する人のいない粗大ゴミ置き場みたいになっています。

キャラについて

 キャラは説明するまでもないですが、ヒップホップではかなり重要な勝負要素なので少しだけ喋ります。というか、このバトルを見たら喋らざるを得なくなります。

 ラッパーにとって容姿ってかなり重要で、上のように「貞子のモノマネか?」という姿でラップをする人もいれば、ドレッドヘアーの黒人男性が突然日本語ラップをかますこともあります。スーツにメガネ姿の、ビジネスマンみたいな姿でバトルに出場する某有名ラッパーもいますね。


 つまり結構、たたずまいから重要。キャラで勝ち上がる人は、よくイロモノラッパーなんて呼ばれたりします。例えば、左から2番目のラッパー『ハハノシキュウ』はその典型です。

 初見の方々は、「ナニこの体育教師みたいな格好した貞子」、と思われたことでしょう。こういうラッパーは、もう見た目から理解の域に及んでいないから、何をやっても許されてる。嫁から幼稚園の面接に受かった連絡が来た話をした次のバースで、ストリップ劇場に行った話をする意味不明さも、彼がやれば許容の範囲内なワケです。


 イロモノに囲まれると、最後にIDがカッコ良過ぎるラップをするのすら、逆に面白く見えて来ます。

 でもこのバトルで一番良いのは、ハハノシキュウの最後のバースで「はぁぁ。格好いいこと何か言ってすげぇいい感じの空気作ってるひとぉぉ。」の時に、MC松島とIDが笑ってしまっているところです。微笑ましい。前代未聞のバトルでした。

それぞれのやり方

 つまりヒップホップは、評価される明確なポイントがないんです。フローがライムに勝つこともあるし、屁理屈みたいなdisがスキルに勝ることもあります。

 評価されるポイントは自分で作りに行かなくちゃいけない。自分のポジションは、時間をかけて自分で作っていくんです。これが、ラッパーがバトルでよく言う「オレのやり方」であり、ヒップホップの醍醐味でもあります。

 そして、当サイトの運営主はここに、「社会での人間の評価基準」を見るんです。それぞれのやり方を極めた人間が、強い。就活の時に、「何が正解か分からない」という就活生にも、恋愛テクを必死に学ぶ男性にも、ヒップホップの世界をちょっと見てみて欲しい。評価される正攻法なんてものは、ないと思った方がいい。


 強いて言うなら、「自分なりの戦い方」を極めた人間が、評価されるんです。

 だから、ヒップホップが最高に面白いんです。




 次の記事が、ヒップホップ入門最終回になります。
『MCバトルから音源に移行する時に始めに聴くべき4曲【ヒップホップ入門:第四弾】 』

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