ロックってもはや、何なんですかね…?
最近の音楽シーンって、オシャレな曲をもてはやしすぎじゃねぇか。
と思うわけだ。CDTV年越しライブでも、2021年の売れ線アーティストランキング1位はVaundyだった。
NulbarichやKing gnuが売れたあたりからこの風潮が始まったわけだが、近年はロックシーンがこの系統のオシャレで小気味良いビートを刻む音楽に食い物にされてやがる。何も今の若者に「銀杏boysの良さも分からずにロックを語るんじゃねぇ!」という老害めいたことをわめき散らしたいわけではないが、もう少しは泥臭くて汗臭い往年の”これぞロック”という音楽が評価されても良いのではないか、と思うわけだ。
ちなみに、ROCKIN’ON JAPANの表紙をBiSHが飾った時には世紀末感を憶えた。
そんなヒップホップ調の音楽がロック畑を粛々と浸食しつつある今世であるが、今流行りの音楽の中でも一つ芯の通ったバンドがある。それがDENIMSだ。
DENIMSの演奏技術の高さは一級品。
DENIMSは、Gt&Voの釜中健伍、Gtの岡本悠亮、Baの土井徳人、Drの江山真司で構成される大阪出身の4人組バンド。
ジャジーなビートに乗った疾走感溢れるギターラインが特徴的な一曲だ。変調が際立つ音楽の中で、各プレーヤーの自由度が尊重されながらも統一感のある曲に仕上げるのは一朝一夕にできることではない。各バンドメンバーの演奏技術の高さを物語っている。
しかし、この曲一つを聞いて、DENIMSをテンションコードのジャジーなバンド一辺倒だと勘違いしないで欲しい。
オシャレな音楽に垣間見えるあどけなさ
メロウでR&B的なリズムの良さを残しながらも、どこかあどけなさが残っている。保守的な大人っぽさがあるというより衝動的な子供っぽさがあって、今時のオシャレな音楽っぽくありながらも、やっぱりどこか懐かしさがある。
オシャレで技巧的な音楽をできるバンドでありながら、あえてハズしていっているように見えるところが、今流行りのバンドと一線を画していると言ってもいい。「個性を捨ててまで流行りに乗らない」のが良しとされるのは、音楽でもファッションでも、何をとっても同じだろう。
数年前までは、こんな感じだった。
そんなDENIMSだが、数年前まではこんな感じだった。
MVがもうやっちゃってる。シティボーイに「聞いてください!」と言わんばかりの”いかにも”という感じのシティポップだ。ヒップホップ好きがバンド音楽をかじるのに持ってこいの曲と言っても過言ではない。
この曲で一躍有名になったDENIMSだが、なんというかこれでDENIMSを知った気になるには、ちょっと優しすぎると思うのだ。感情的でロック感のある、フランクに言えば「燃えている感じ」までを音で体現するのがDENIMSだからだ。
流行りっぽい音楽からの卒業に、DENIMS。
ライブDJのチョイスでかかっても悪くないが、やっぱり生音を聞いて欲しいバンドがDENIMSだ。
今流行りのリズミカルでグルーヴの効いたバンドでありながら、力強い音圧と痛烈なサウンドで魅了できるタイプのバンドであるとも思うからだ。
今時の「流行っぽい」音楽に飽き飽きしたころに、シティポップの血は引きながらもエモーショナルで芯の通ったバンド、『DENIMS』を聞いてみてはいかがだろうか。
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Lucky Kilimanjaroみたいなバンドはもうこれ以上で売れないで欲しい
『Cody・Lee(李)』ってシティポップの最優秀助演男優賞だよな