【ラッパー×小説家】ヒップホップ界の精神病棟から来た『ハハノシキュウ』が今死にそう。

ヒップホップ
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ヒップホップ界の精神病棟へようこそ。

ハハノシキュウはセミだったのかもしれない。

 ラッパーって何でどこ出身だの、〇〇世代だの、適当な枠組み探して群れるんですかね?バトルになれば誰彼構わず罵倒するくせにやたらと帰属意識の高い連中はいったい何なんでしょう?ツンデレ?

 そういう群れたり群れなかったりする中学の卓球部みたいな連中から一線を画しているラッパーが、『ハハノシキュウ』です。


そもそも、「出身とか、年齢とか、あるんだ。」と言いたくなります。

まずはコチラをどうぞ


SIMON JAP vs ハハノシキュウ(公式字幕)/戦極MC BATTLE 第7章 vs THE 罵倒特別編(13.7 .21)


 上のバトルで一番好きな点は、滅多に韻を踏まないハハノシキュウが繰り出す2バース目の『ディズニーランド』と『ディスになんの?』のトコ。フリースタイルでこれは頭の回転速すぎ。

ハハノシキュウとは

 一応、「ハハノシキュウ誰やねん」という方のために簡潔且つ大胆に解説させてもらうと、『ヒップホップ界の精神病患者』と言った感じです。既に人間としてクセモノでしかない職業『ラッパー』の中でも、尚クセモノと呼び声が高いのが『ハハノシキュウ』です。

 ちなみに、彼はいつも『8×8 = 49』と書かれたキャップを被っていますが、MCバトルで「 8×8 = 49 間違い訂正しとく」と言われた時に、「人生では大体のことが計算より15くらい少ないんだよ!」とアンサーしていたのが、グッと来ました。格好良すぎて、一瞬窪塚洋介かと思いました。

 実は彼、作家目指して10年の道半ばでどう誤ったかヒップホップ界に足を踏み入れてしまった事故物件です。北海道から東京に行くのにブラジルを経由するような回り道ですが、2019年、やっと彼の作家デビュー作をお目にかかることができました。


コチラです。▼

ワールド・イズ・ユアーズ (星海社FICTIONS)

圧倒的なキャラ


 インターネットという無法地帯で見ず知らずの人に受け入れられるスキルを高めるために、我々人類はキャラという飛び道具を覚えましたね。その『キャラ』の最高峰って何かっていうと、「裏切り」。

 例えば、「金持ちなのにyoutuber」、「学生なのに起業」、「ビリギャルなのに慶応大」。心当たりありますよね?

 なぜかインターネットの世界ではみんな裏切られることに弱い。一切表情を変えない数学教師が、高校の文化祭でステージに立っただけで爆笑を取れるのと一緒。だから、「暗すぎるラッパー」も、かなりの戦略派。

 そして、こういうところ

ハハノシキュウ/『さっき初めて会った人の結婚式の祝辞』


  こういうところが、マジで頭良い。

  キャラがネット世代の気持ち良いツボと一致し過ぎてる。取り込む層が分かりやすいもん。ターゲットが完全に浅野いにをとかにも理解を示せてしまう層

 そのキャラというのも、我次郎MICゆうまみたいに後々詰むキャラじゃなくて、ちゃんと展開可能なキャラだから、バトルだけじゃなく音源でもよく活きています。こういうネット世代への強さみたいなのは、ジャンル分けするとヒップホップより、神聖かまってちゃんみたいな方に近いんじゃないですかね 。

誰か心配してあげて

 そんなハハノシキュウ、さすがに最近働き過ぎです。睡眠時間が心配。精神病棟って救急車ありましたっけ?


まず、作家デビュー


続いて自主レーベルの立ち上げ。 新音源も、律儀に日付が変わったと同時に宣伝してるし。


 そんな中の、『戦極MCBATTLE 第20章 東北予選』優勝



 正直、人間の処理能力じゃないでしょう。子供が私立幼稚園を所望しているんでしょうか。それか奥さんが二度目のハハノシキュウになってしまったとかも考えられます。そうじゃないと説明が付かない、何かしらの追い打ちがかかっている異常な原動力。


 そして、この活動量で未だにフォロワーが1万人以下なのは何なん。改名したてのFuma no KTRのフォロワーが既に1万5千を超えてて、ハハノシキュウが未だに8千そこらなのは法の下の平等的にどう説明されるんでしょう。当方、政府関係者ではないですが、フォローはこちらからできるので、誰か彼の平等権を保障してあげて下さい(@8x8_49)。

分かりやすく、頭が良い


 コチラは、MCバトルとは完全別人のハハノシキュウです。▼

僕の感覚だと、アートとヒップホップはまるで似ていないし、ほとんど別物だと思う
だけど、文脈を重んじるという部分においてはとてもよく似ている。平たく言うと芸術家という存在に憧れを抱いているけど、芸術作品の文脈を辿るほど勉強熱心ではなく、むしろそれを無視して作品を作ろうとする。

 これ、ハハノシキュウの『カブトムシにマヨネーズ/The Art』という曲に彼自身が付けた解説なんですけど、これを見た時も、あぁやっぱ頭良いなと思いました。

 これを読んだ時、彼の中に “MCバトルは『ウケにいくエンターテインメント』で、音源は『ウケにいかない芸術』” という区別が明確にあることが分かりました。その狭間で、頭の良い人間特有の『大衆に好かれにいくことへの憂鬱』をモロに見せてくれます。正直、ハハノシキュウの音源は量産型ヘッズ向きではないですが、そこを分かった上で賞味すれば結構食えます。



 とにかくそういったところに、ハハノシキュウには急逝する明治の文豪のような危うさを見てしまいます。だから、もっとみんな注目するべきだし、ハハノシキュウは寝ろという話でした。

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